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薬はどうやってできたの?人工合成以外の薬のタネのご紹介②(スタチン、キニーネ、アスピリン、イソジンもおまけ)

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先日、漢方薬のことを記事で取り上げましたが、天然由来のものは何も、東洋医学だけではなく、西洋医学における医薬品にもあるのです。

 

今日はそんな天然由来の薬のタネについて、有名なものを何個か取り上げてみたいと思います。

・前回はこちら:もう半年前だ!


 

 

 

スタチン 

脂質異常症改善薬のスタチン系薬剤はご存知ですか?

医療関係者では知らない方は皆無なぐらいの有名な系統の薬剤です。

みなさまの中にも服用されている方もおられるかもしれません。

 

体内においてコレステロール合成に関与するHMG-CoA還元酵素という酵素を阻害し、脂質異常症を改善します。

これまでに多くの種類の薬剤が開発されており、世界中で使用されています。

 

そんなスタチンですが、起源はいったいなんでしょうか?

 

実はスタチンはアオカビから発見された物質なのです。

 

しかも発見したのは日本なのです!

 

田畑、雑草地、山林などの土壌中には微生物がたくさんいます。

そんな微生物を集めて培養して、培養液中に含まれる有効成分に何かよいものがないかを調べることで、薬のタネを探索する手法があります。

 

そのような方法で1971年から探索を開始していた日本の研究者である遠藤氏(当時は三共に所属)が、1973年にアオカビより、コンパクチン(メバスタチン)を見出すことに成功しました。

 

その後日本発のスタチンとして、プラバスタチンが世界各国で2万例を超える臨床試験を経て1989年に誕生しました!

 

世界中で使われているスタチンのおおもとが、アオカビというのは意外と知らない方もおられるかもしれませんね。

 

 

アスピリン(バファリン)

アスピリンと聞くと分からない方もおられるかもしれませんが、バファリンの主成分ですね!

バファリンの半分は優しさでできているそうですので、残り半分ぐらいになるのでしょうか。

 

あ、イブプロフェン等も配合されていますね。

・・・優しさを少し減らして、小さくしていただけると服薬しやすいかもしれません。

 

さて、このアスピリンのおおもとはいったい何でしょうか?

実はヤナギの樹皮なのです!

 

ヤナギの樹皮は古代ギリシャ時代から既に痛風、神経痛などに使われてきたそうです。

かの有名なヒポクラテスも紀元前において、ヤナギの樹皮を鎮痛・解熱に使っていたと伝えられています。

 

このヤナギの樹皮から成分が抽出されたのは近代になってからです。

1763年にイギリスのストーン神父が、ヤナギの樹皮の抽出エキスが、悪寒、発熱、腫脹などに強い効果があることを発見し、ヤナギの学名サリュックに因みサリシンと名づけました。

 

そこから75年の歳月を経た、1838年にはサリシンを分解することでサリチル酸が見いだされました

サリチル酸はリウマチの治療などに使用されていましたが、苦味が強く、胃腸障害などの副作用もありました。

 

その後1897年にドイツの化学者F .ホフマンが、副作用の少ないアセチルサリチル酸(アスピリン)を合成するのに成功したのです。

 

紀元前から使用されてきた天然由来の物質の有効性や安全性を高めたものが、アスピリンということですね!

 

この流れ一つとっても天然由来信仰の愚かさがよく分かるのではないでしょうか。

医薬品の発展の歴史を紀元前までさかのぼっているわけですからね。

 

ちなみにバファリンの名前の由来は「英語の緩和:Bufferと成分名のAspirinの組み合わせ」からです。

  

 

キニーネ

キニーネというと日本人はなじみがあまり少ないかもしれませんが、マラリアのお薬になります。

このキニーネも実は天然由来の歴史の古い成分なのです。

 

キニーネはアカネ科の植物キナの樹皮に含まれています。

南米の原住民は、古くからアンデスの高地に生えるキナの樹皮がマラリアに効くと知っていたといわれています。

また1630年頃には、イエズス会の宣教師がキナの樹皮を使って治療を行っていたそうですよ。

 

キニーネは、1820年にフランス・パリ薬学校のP .J .ペルティエとJ .カヴァントゥによって抽出されました。

なお、このキニーネをもとに、COVID-19治療薬候補でドタバタを演じたクロロキンも合成されました。

 

 

ポビドンヨード(イソジン)

イソジンが人工合成以外の元ネタ化かと言われると、微妙なところですが一部で大人気(皮肉)なので、取り上げました。

イソジンの有効成分であるポビドンヨード(PVP-I)は、ポリビニルピロリドン(PVP)とヨウ素の複合体です。

 

1956年にShelanski, H.A.(アメリカ)によって、ポビドンヨードが殺菌力を持ち、ヨウ素単独投与の場合より毒性が低下することが見出され開発されました。

日本では明治製菓(現:Meiji Seika ファルマ)が、1961年に殺菌消毒剤及びうがい薬として、医薬品としての承認を得ています。

 

割とふるーい医薬品なのですね!

粘膜への刺激が比較的少ないと言われていますが、イソジンによるうがいのし過ぎは喉の粘膜を痛める可能性があります。

 

医師や薬剤師の指示に従って、適切に対応するようにしましょう。

そもそも水うがいでもウイルスに対してはかなりの効果が見込まれています。

(COVID-19に有効という論文は見ていませんが、一般的なウイルスに対して有効な方法です。)

 

COVID-19に対して、あえてイソジンを使ってうがいをすることの有用性については明らかとなっていないことを忘れないようにしましょう。

 

 

 

まとめ

今日は天然由来の薬のタネについて、有名どころを見てみました。

知らないものはありましたか?

 

天然由来の有効成分から有効性や安全性を高めていくことは、医薬品開発の根幹の一つです。

 

ちょっと古いお薬は天然由来のものも多かったりしますので、気になるお薬があったら調べてみると面白いかも?

 

機会があったらまた記事にしたいと思いますー!

 

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