るなの株と医療ニュースメモ

株や医薬品関連ニュースに一歩踏み込みます!

医療の話題

新薬や臨床試験、医療関連ニュース、論文や学会報告の話題です。信頼ある情報源をもとに記載するように心がけております。

【中医協】承認されたのに保険適応されなかった不遇な薬、抗肥満薬オブリーン(セチリスタット)とは?

以前「承認申請から保険適応までの過程」や、「保険適応における薬価の算定方法」について、解説致しました。(参考に載せています) その中で、日本は「基本的には承認取得=保険適応(薬価収載)」だと説明させて頂きましたが、ごく一部に例外があります。…

アメリカの公的/民間保険制度に見る、薬価と使用できる医薬品の差

また壮大で重いタイトルをつけてしまいました。 中身はそんなに重くないので、まだ帰らないで! 今日は日本とアメリカの保険制度の違いから話を広げてみたいと思います。 今日はアメリカの記念日だし。 日本は国民皆保険制度であり、基本的には上市された医…

「先生いくらもらってます?」が明らかに、透明性ガイドラインとは?

少し前の民放ドラマで「MRが医師にお金を渡して症例を入れてくれと頼む」という、突っ込みどころが多い、程度の低い演出を見たことがあります。 現実に開発担当がお金を渡して症例を入れるようなことは断じてありません。 しかもなぜそこにMRが出てくるのか…

【再生医療等製品】日本で承認された9製品を見てみよう!【2020/6/25現在】

先日の記事では、再生医療等製品の基本や開発トレンド、課題について考えてみました。 今日は現在日本で承認されている9製品について、どこの会社のどんな製品なのか?といった点を一緒に見ていきましょう。 個々の製品について、別途記事にしている場合はそ…

【アンジェス】DNAワクチンの臨床試験(PⅠ/Ⅱ)の概要、大阪市大の医療従事者を対象とする是非について考えよう!

COVID-19のDNAワクチンを開発しているアンジェスの臨床試験情報が少しずつ明らかとなってきました。 大阪市大附属病院の医療従事者をまず対象とするという、議論を呼ぶお話も漏れ聞こえてきています。 今日はこれから行われる臨床試験の概要や、組み入れ患者…

バイオ医薬品の後発品、バイオシミラーについて考えてみよう!(概要/特徴/課題)

ジェネリック医薬品や後発医薬品といった言葉は聞いたことがある方が多いのではないかと思います。 医薬品の特許期間が切れた後に出てくる安価な医薬品ですね。 ジェネリック医薬品は有名かと思いますが、一方でバイオシミラーについては聞いたことがない方…

【細胞】再生医療等製品ってなに?どんなものが含まれるの?【遺伝子】

COVID-19に対して間葉系幹細胞を用いた治療が進んでいるとか、遺伝子治療薬のゾルゲンスマが1億を超える薬価がついたとか、再生医療等製品が脚光を浴びています。 でもそもそも再生医療等製品ってどんなものかはご存知ですか? 今日は再生医療等製品の定義や…

超高額薬ゾルゲンスマ、なぜ高い?薬価が決まるまでの軌跡とトラブル

先日、新薬の薬価算定の3つのルートのお話をしました。 参考:新医薬品の価格はどうやって決まるの?薬価算定制度における3つの道筋 今日はケーススタディということで、最近話題の超高額薬ゾルゲンスマの「薬価の中身」を見ていきたいと思います。 併せてこ…

新医薬品の価格はどうやって決まるの?薬価算定制度における3つの道筋

前に医療技術評価(HTA)が薬価に反映されるかも?とか、特例市場拡大再算定制度でオプジーボの薬価が半値にされた!なんてお話をしましたが、肝心の薬価算定制度のお話をしていませんでしたね。 ややこしい話なのですが、結構ご質問頂くことも多いので、今…

臨床試験ってどんなのがある?第Ⅰ相~第Ⅳ相(製造販売後臨床試験)の概要を見てみよう!

これまで当たり前のように第Ⅰ相だとか第Ⅲ相だとか臨床試験の相(フェイズ)を挙げてお話を進めてきましたが、そういえば一度も全体を俯瞰したことなかったなーと思い、今日は改めて取り上げてみたいと思います。 臨床試験の各相において何を目的にどんな試験…

あなたのカルテが役に立つかも?リアルワールドデータ(RWD)の活用事例のご紹介

リアルワールドデータって言葉をご存知ですか? 日本語に訳すと「現実世界のデータ」ですね。 これまでご紹介してきたような臨床試験(治験)は限られた患者さんに対して、限定された条件下で行うものであり、得られるデータは、ある種のクローズな世界にお…

【薬害】クロロキン網膜障害の教訓を活かせるか?不用意な適応拡大の末路【COVID-19】

COVID-19の治療薬候補として、ヒドロキシクロロキンが挙がっており、トランプさんも一時はゲームチェンジャーだなんて騒いでいましたが、有効性を見出すどころか心血管系の副作用により、開発が危ぶまれていますね。 そのヒドロキシクロロキンのもととなった…

【レムデシビル】医薬品リスク管理計画(RMP)とは?ベクルリーを例に見てみよう!

先日、サリドマイドの薬害の歴史を振り返る記事(リンク)を投稿致しましたが、そこで少し触れた医薬品リスク管理計画(RMP)について、今日は簡単にまとめてみたいと思います。 一般の方には馴染みがあまりない資料になるかもしれませんが、その薬のリスク…

【それって薬のせい?】薬を飲んで起きた症状の因果関係はどう考える?有害事象と副作用の違いは?【治験】

最近のCOVID-19の情勢を受けて、医薬品の副作用について、気にされている方も多いかと思います。 一方で私が発信している情報には副作用ではなく、有害事象という言葉で示しているものもあります。 紹介されている論文にも有害事象と示されているものも多い…

【限られた患者数】COVID-19治療薬開発競争を振り返って思うこと【市場/リソース】

緊急事態宣言も解除されて、COVID-19の患者数も落ち着いてきましたね。 第2波の到来が不安ではありますが、朝の通勤電車も混み始め、少しずつ日常を取り戻しつつあるようにすら見えます。 このタイミングにおいても、新たな企業がCOVID-19治療薬の開発に名乗…

【患者さん向け】臨床試験(治験)に参加するメリットについて考えてみよう!【開発担当者より】

COVID-19によって、医薬品や臨床試験(治験)に興味を持たれる人が増えているような気がします。 私も医薬品開発担当者としては喜ばしい限りです。 そんな中、レムデシビルが特例承認で承認を取得したり、一部の既存薬が観察研究のみで承認を取得しようとし…

【薬価のお話】薬の承認はゴールではなくスタート!HTA(医療技術評価)の基本

医薬品に関連する内容を中心として記事を書いていると、どうしても避けられないのが薬価の問題ですね。 このブログでもオプジーボやゾルゲンスマを代表として、多くの記事において、薬価について触れてきました。 その中でちょこちょこ出てきていたHTA(Heal…

近年の臨床試験(治験)における3件の重大事故について見てみよう!(TGN1412/BIA10-2474/E2082)

最近はCOVID-19により、医薬品開発や臨床試験について注目が集まっています。 私も医薬品開発担当者として、微力ながら情報発信に努めているわけですが、今日は臨床試験の負の側面について、少し見ていきたいと思います。 やや重めの内容になります。 近年、…

【解説】日本医師会のCOVID-19治療薬開発に対する提言を見てみよう!【所感】

先日、日本医師会のCOVID-19有識者会議から、パンデミック時における治療薬開発について警鐘を鳴らす提言がありました。 ここ2-3か月間、「私がずっとぶぅぶぅいっているようなこと」をさくっと明快にまとめてくれています。 今日はこの内容を要約しつつ、…

【アビガン】サリドマイドにおける催奇形性の薬害の教訓と対策は活かせるか?

催奇形性が極めて強いことで知られるアビガンのCOVID-19に対する追加適応の承認が、5月末に迫っています。 この「承認が迫っている」という表現、感覚にいまだ強い違和感を抱くのですが、それはこの際置いておきましょう。 「どうせ承認される」のです。 そ…

精神疾患の原因は脳の炎症かも?精神疾患の炎症仮説のお話(大うつ病、統合失調症など)

うつ病、統合失調症、パーキンソン病など。 精神神経疾患には様々な疾患があり、症状も多岐に渡ります。 それぞれの疾患については、例えばセロトニンという神経伝達物質が過剰だとか不足しているとか、ドパミン受容体という受容体がダウンレギュレーション…

儲からない抗菌剤、医療現場には不足、企業は開発に及び腰

最近はCOVID-19の治療薬の開発が盛んですね。 様々な作用機序がありますが、シンプルなのは抗ウイルス薬でしょう。 これはウイルスの増殖を抑えるお薬ですね。 一方で細菌に対して使用する薬剤として、抗菌剤というものがあります。 ひと昔前は抗菌剤の開発…

【添付文書の読み方】レムデシビルを例に「医薬品の添付文書」を読み解いてみよう!

みなさんは医薬品の添付文書はご存じですか? 医薬品や医療機器に「添付」されている書類で、効果や副作用、用法用量、使用上の注意等が記載されている重要な公的文書です。 医師や薬剤師でなくともPMDAのホームページから誰でも簡単に閲覧できます。 今日は…

医薬品の承認申請から販売開始までの流れとは?一般的な流れを解説

レムデシビルの特例承認で医薬品業界も世間も大騒ぎしています。 数日で承認できるなら、今まで規制当局は何をやってきたんだ?今後もそうすればいいじゃないか?と思われる方もたくさんおられると思います。 「臨床試験の在り方」や「レムデシビルが特例承…

Patient Centricityとは?患者さんの意見を医薬品開発に活かそう!

昨日Twitterで興味深いtweetを目にしました。 慶応大学と千葉大学の研究チームが、ナルコレプシーの患者さんの意見を収集して、治験計画に活かそうとしているのです。 これは「Patient Centricity:患者さんの声を活かした医薬品開発」という、日本において…

特例承認ってなに?なぜアビガンではなくレムデシビルなの?その妥当性は?

ギリアドのCOVID-19治療薬であるレムデシビルが米国で緊急承認となりましたが、これを受けて、日本では「特例承認」による早期承認が見込まれています。 巷では「なぜレムデシビルなのか、アビガンではないのか?」といった意見も飛び交っておりますので、今…

mRNAワクチンってなに?特徴や利点のまとめ(Moderna)

※0518 P1成功を追記 COVID-19の治療薬として、ギリアドのレムデシビルが米国にて緊急承認されましたね。 解析前の主要評価項目の変更等議論が残るところではありますが、ひとまず治療薬の開発が一歩前に進んでよかったです。 日本における特例承認はちょっと…

レムデシビルのプラセボ対照二重盲検試験結果まとめと所感(NIH)

期待のCOVID-19治療薬候補レムデシビルの臨床試験結果について、昨日はギリアドの重症例のオープンラベル(非盲検)の試験結果をまとめました。 今日はNIH主導のプラセボ対照の二重盲検試験の結果をまとめたいと思います。 プレスリリースに毛が生えた程度の…

レムデシビルの臨床試験結果まとめと所感(ギリアド:重症例のオープンラベル試験)

先日、ギリアドの開発する期待のCOVID-19治療薬、レムデシビルの臨床試験情報をまとめさせて頂きましたが、一部の結果が公表されましたね。 併せてNIH(NIAID)主導の二重盲検試験の結果も公表されました。 今日はまずはギリアドのオープンラベルの臨床試験…

【COVID-19】ヒドロキシクロロキンの心血管系の副作用について考えよう!【審査報告書】

先日、COVID-19に対するヒドロキシクロロキンの臨床研究において、有効性が示されなかったばかりか、安全性について大きな問題が生じていることを記事にしました。 そのような中、アビガンの審査報告書の記事を読まれた方から、「ヒドロキシクロロキンの副作…