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どんな人が罹患している?症状は?新型コロナウイルスの日本における疫学調査結果と考察

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毎日毎日、どこそこでコロナ感染が初めて認められました!!

重症です!!

東京ロックダウンかも!!

なんて、大騒ぎしていますが、どんな人がかかって、どんな症状だったとか、軽症だったとか、回復したとか、ポジティブなニュースはあまり見ることがない気がします。

今日は少し前のですが、ちゃんとした疫学調査を一つご紹介します。

そして最後に私の考察を2つ載せています。

 

目次

 

 

疫学調査の概要

今日ご紹介する資料は国立感染症研究所が3/17に公表した「感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例287例の記述疫学(2020年3月9日現在)」です。

データとしては半月ほど昔のものにはなりますが、患者層が大きく異なるわけではないため、3/26現在としても十分参考となるはずです。

ウイルス自体も変異しているという話はありません。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2020年2月1日に指定感染症に定められたことは覚えておられますか?

これはWHOの役に立たないパンデミック宣言などとは違い、意味のある行為でした。

指定感染症に定められたことにより、当該疾患を診断したDr.は、保健所に届け出ることが義務付けられ、感染症発生動向調査を行うことができるようになりました。

また積極的疫学調査を実施することもできるようになったのです。

 

感染症発生動向調査とは?

昭和56年から行われ始めた調査で、感染症の発生情報の正確な把握と分析、その結果の国民や医療機関への迅速な提供・公開により、感染症に対する有効かつ的確な予防・診断・治療に係る対策を図り、多様な感染症の発生及びまん延を防止することを目的とした調査になります。

インフルエンザの定点調査もこれですね。

ちなみに今年のインフルエンザは終息見込みですね。

参考:感染症発生動向調査について

 

積極的疫学調査とは?

積極的疫学調査とは、感染症などの色々な病気について、発生した集団感染の全体像や病気の特徴などを調べることで、今後の感染拡大防止対策に用いることを目的として行われる調査のことです。

国内では保健所や、国立感染症研究所などの公的な機関によって行われます。

参考:厚生労働省:積極的疫学調査への協力のお願い

 

症例数と内訳

調査時点である、3/9までに、確定された症例(PCR検査陽性)は287例でした。

そのうち男性159例、女性128例で、男女比は1.2:1で男性に多かったとあります。

特にこの点について考察はされていませんし、少数の疫学調査のため、確たることはいえませんが、性差というよりかは喫煙率等の交絡因子が関係しているかもしれませんね。

 

年齢分布

年齢の中央値は66歳(範囲4-91)であり、60代以上で約6割を占めています。

やはり過去のコロナウイルスと同様、小児の感染は少なく、高齢者の感染が著明なようですね。

中国で乳幼児の感染も報告されていますが、他の年齢層と比べて、著明に多いというわけではありません。

子供が安全と言うわけではありませんが、高齢者よりも感染するリスクは低いと言えるかと思います。

・10歳未満3例(1.0%

・10代2例(0.7%

・20代17例(5.9%)

・30代18例(6.3%)

・40代26例(9.1%)

・50代48例(16.7%)

・60代54例(18.8%)

・70代91例(31.7%

・80代27例(9.4%)

・90代以上1例(0.3%)

 

主な症状

調査時点である3/9までに確認された症状のまとめです。

やはり風邪の症状がメインで、一部が重篤な状態に移行するイメージでしょうか。

なお中国当局の発表では約8割は軽症例だったとのことです。

・発熱188例/287例(66%)

・咳180例/287例(63%)

・肺炎121例/194例(62%)

・全身倦怠感79例/195例(41%)

・咽頭痛58例/211例(27%)

・鼻汁・鼻閉30例/150例(20%)

・下痢29例/154例(19%)

・頭痛25例/128例(20%)

・関節/筋肉痛10例/142例(7%)

・嘔気/嘔吐9例/145例(6%)

・急性呼吸窮迫症候群(ARDS)7例/123例(6%)

・結膜充血2例/119例(2%)

 

重症例の基礎疾患について

重症例の基礎疾患の有無について、ICU入室例22例では、基礎疾患あり10例・なし2例・情報なし/不明10例でした。

侵襲的換気(いわゆる気管支挿管等)を必要とした29例では、基礎疾患あり15例・なし1例・不明13例でした。

ECMO(extracorporeal membrane oxygenation「体外式膜型人工肺」)を必要とした9例では、基礎疾患あり6例・情報なし/不明3例でした。

こちらも事前の予測通り、基礎疾患が大きなリスク要因と言えますね。

 

症状のない方の割合

診断時、無症状病原体保有者として届け出られた症例は71例(25%)でした。

またその後も無症状な症例(症状の報告のない症例)は32例(11%)でした。

中国の軽症例の報告と併せて考えると、症状が出ない症例や軽症例は相当数いる可能性はあります。

健康な方や若い方は軽症で済む傾向があるため、「本人としては」そこまでビビりすぎる必要はないです。

ただし、だからこそ感染を広げやすいので立ち振る舞いには注意が必要ですね。

自分は大丈夫でも感染拡大の原因となり得るかもしれないのです。

 

転帰

今回の分析対象となった287例の3月9日時点の転帰は、亡くなった方3例(1%)、退院115例(40%)とのことです。

また入院開始日と退院日ともに判明している102例における入院期間の平均値(標準偏差)は14.3日(±5.2日)でした。

 

 

 

まとめ

この疫学調査は感染者のうちの一部ではありますが、全体の傾向を見るうえでは参考となるのではないでしょうか。

2/24、3/9とデータの追加が行われていますので、近いうちに第3回の報告があると思います。

ワイドショーのショッキングなニュースにため息をつく前に確認されて見てはいかがでしょうか。

 

★おまけ:感染者数と致死率の関係

病気の強さが一定ならば、致死率(亡くなった数/感染者数)は一定であり、感染者数と亡くなった方の数は比例するはずです。

ですが、現実には少しぶれが生じます。

これは亡くなるのが感染してからしばらく経った後になるからです。

つまり感染者が急増すると分母が大きくなるので致死率が下がり、感染の終盤フェーズにおいて、新規感染者が減ると致死率が見かけ上、上がったりします。

 

横道にそれましたが、だいたいにおいてぶれはあれど致死率は同じくらいに収束していくわけです。

ただ他国の中には大きく外れている国がありますよね?

そう、イタリアです。

あれはなんでだと思いますか?

 

イタリアのコロナはコロナリンに進化したのでしょうか。

いえ、恐らくウイルス側の事情ではなく、人類側の事情です。

もっとも、イタリア人が弱いわけではありません。

恐らく医療のキャパシティが足りず、重症患者のケアが追いつかなくなったのだと思います。

本来助かるべき患者が、呼吸器などが足りずになくなっているのではないでしょうか。

 

これは推測ではありますが、日本も患者が急増すればなくはない事態です。

その点は留意するべきでしょう。

 

アメリカの致死率が低いのは、急に検査を広げたからかな?

 

 

★おまけ:感染拡大の要因に関する私見

なぜコロナウイルスがパンデミックになったのでしょうか?

私はこのウイルスが「大したことない」からこそ、感染が莫大に広がったのではないかと思います。

 

例えば、エボラ出血熱。

非常に予後が悪く、致命的な疾患です。

しかし血液・体液による感染とはいえ、世界的な流行にはなっていません

これは各国による封じ込めや対策による成果でもあるかもしれませんが、「致命的な疾患である」という点も関係しています。

要は発症したら、「感染を広げる前に亡くなってしまう」のです。

 

コロナウイルスは大半が軽症で済んでしまいます。

すると軽症な人は平然と社会生活を行うため、容易に感染が広がってしまうというわけです。

単純な話、感染して10秒で亡くなれば、感染を広げる隙もないですよね。

そういう観点からは新型コロナウイルスは「賢い」のかもしれません。

ウイルスとして優秀なのはどっちなのでしょうね?

 

ウイルスはいったい何を目的に活動しているのか?

生物を始末したいのか、自分を増やしたいのか?

そもそもウイルスは生物なのか?

いやーバクテリオファージなんて、人工物っぽいですよね!

・・・なんて、この辺の話をし始めると延々と終わらないので、ここで終わりにしておきましょ。

 

・参考

感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例287例の記述疫学(2020年3月9日現在)