るなの株と医療ニュースメモ

株や医薬品関連ニュースに一歩踏み込みます!

儲からないし、開発も大変!AMR(薬剤耐性)に対する医薬品開発の問題点と解決策

以前抗菌薬の供給における問題を記事にしたことがあります。 抗菌薬は医療現場に必要とされているのに、儲からないから開発に及び腰、という残念な薬だというお話でしたね。 今日は抗菌薬の中でももう一歩踏み込んだAMR(薬剤耐性)に対する抗菌薬の開発に関…

【エリクサー】何個知っている?くすり豆ちしき10選【薬剤師】

今日は薬に関する身近な豆知識を10個ご紹介させて頂こうと思います。 どれも有名なお話なので、どこかで目にされた方も多いかも? くだらないものから、実用的なものまで適当にピックアップしました。 ご存じないものがあったら、明日のお茶の小ネタにどうぞ…

【エビデンスレベル】専門家の個人的見解はどこまで信用できる?エビデンスという言葉に惑わされないようにしよう!

COVID-19蔓延下では、 ・芸能人がアビガンで回復した?からアビガンは効く!とか、 ・とある専門家が効果があるといったからこの薬は有用!とか ・どこそこ病院の症例報告でシクレソニドが効いた!とか、 ・臨床試験でレムデシビルが有意差を出した!とか 色…

診療の手引きから見る、COVID-19の症状・合併症・後遺症(9/4時点)

9/4に医療従事者向けのCOVID-19診療の手引きが更新されたのはご存知ですか? 巷には様々な情報が溢れていますが、正確な情報を知るにはこのような資料を参考にするといいですね。 今日はこの手引きの中から、「COVID-19の症状、合併症、後遺症」について、ま…

アンジェスはだいじょぶ?新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの評価に関する考え方

9/2にPMDAのワクチン等審査部が新型コロナウイルスワクチンの評価に関する考え方を発表したと教えて頂きました。 2020 年 8 月時点の状況を踏まえた上で、国内での SARS-CoV-2 ワクチンの開発のために求められる有効性及び安全性の評価における考え方を提示…

【結果は幻?】バイオベンチャー、私の嗜み方②【戦略的撤退?】

先日、私のバイオベンチャー銘柄の嗜み方を少しご紹介しましたが、なかなか好評でしたので、第2弾をしたためました。 (真面目な記事書く時間がない) 第1弾はバイオ株の取り扱いの心構え、私の投資スタンスのようなものだったので、今回はちょっと違った観…

薬に対する印象ってどう?製薬協意識調査より①

最近何個かアグレッシブな話題を取り上げました。 反ワクチンだったり、民間療法だったり。 そんなとがった考え方を持つ方は稀であるとは思いますが、 では、一般の方は「くすり」についてどんな印象をお持ちなのでしょうか? 今日は製薬協のアンケート調査…

薬はどうやってできたの?人工合成以外の薬のタネのご紹介②(スタチン、キニーネ、アスピリン、イソジンもおまけ)

先日、漢方薬のことを記事で取り上げましたが、天然由来のものは何も、東洋医学だけではなく、西洋医学における医薬品にもあるのです。 今日はそんな天然由来の薬のタネについて、有名なものを何個か取り上げてみたいと思います。 ・前回はこちら:もう半年…

「漢方薬は自然由来、天然由来だから副作用がない」の嘘

先日、漢方薬は自然由来だから副作用がない!みたいなtweetが医療従事者から「ふるぼっこ」にされているのを見かけました。 私としても失笑を禁じ得ない内容ではありましたが、漢方薬には副作用がないといった認識は、意外と持たれている方も多いのではない…

【成功のコツ?】バイオベンチャー投資、私の嗜み方【失敗の原因?】

最近めっきり投資関係の記事を書いていませんので、たまにはいいかなと思って書きました。 ポートフォリオでは開示していませんが、私はバイオ関係の株については常日頃色々と触っております。 また学生時代から触れていることもあり、古くはアキュセラショ…

COVID-19治療薬の臨床試験の適切な評価項目とは?レムデシビルやアビガンも例に(ICMRA)

COVID-19治療薬候補の臨床試験において、稚拙な試験デザインのものが散見されるのは過去に記したとおりです。 では、どんな評価項目が良いのか、何に留意すればよいのか? 今日はその点について、各国の規制当局が集まって協議をした結果をご紹介しようと思…

年間の医療費総額や薬剤費の占める割合はどれくらい?医療財政健全化に必要なことは?

医療財政がやばいからと、薬価が目の敵にされています。 「薬価をぽんぽこ安くするのはやめてほしい!」と、私は年がら年中言っていますので、またそれかよーと思われる方が多いかもしれません。 医療財政は火の車であり、少しでも財政を良化するために、叩…

「統計学的有意差」と「臨床的に意味のある差」は同じなのか?アナセトラピブを例に考えよう!

臨床試験の結果について考えるとき、統計学的な有意差がつくことは非常に重要です。 2つの群の結果に明らかに差があると示すためには、統計学的に有意差があることを示さなくてはならないからです。 そうでないとその結果は「単なる偶然」である可能性があり…

特許は味方か敵か?特許申請と医薬品開発のお話

特許と聞いて何を思い浮かべますか? 素晴らしい研究をまねされないように守るものでしょうか? 特許はいち早く取ったほうが良いのでしょうか? バイオベンチャーの特許取得IRは全て歓迎するべきでしょうか? 今日はそんな特許に対する疑問やと医薬品開発と…

【臨床試験】実薬(既存薬)対照試験、その利点と欠点を比較する【ICH-E10】

先日に引き続き、臨床試験における対照薬について考えます。 今日は「実薬対照の利点や欠点をテーマ」に取り上げてみたいと思います。 そんなに読まれないであろう真面目度が高い記事です。 宜しければお付き合いください。 参考とするのは先日と同様にICH-E…

オーソライズドジェネリック(AG)ってなに?先発品や普通の後発品との違いは?

以前、バイオ医薬品の後発品たるバイオシミラーを取り上げた際に、バイオ医薬品のオーソライズドジェネリックは先発品と同等であり、信頼性が高いというお話を頂きました。 厳密にいうとバイオシミラー(似ているもの)ではなく、バイオセイム(同じもの)と…

【あなたの名前はどこから?:5】抗ウイルス薬の名前の由来のご紹介

手軽に書けて、手軽に読める(と思われる)お薬の名前の由来シリーズ。 この若干くだらないシリーズですが、最近重いテーマが多かったので、久しぶりにやってみます! 今日はCOVID-19が蔓延しているこの状況を鑑みて、抗ウイルス薬で行ってみましょう。 なお…

【COVID-19】検査方法の整理と考察、単純にPCR検査を拡大するだけでよいのか?

「PCR検査を希望者全員に何度でも実施する」なんてことがもてはやされていて、私には全く理解できなかったので、今日は検査方法を整理しつつ、タスクフォースの資料や論文をもとに、PCR検査拡大の是非について考えてみました。 先に申し上げておきますが、PC…

【臨床試験】プラセボ(偽薬)対照試験、その利点と欠点を考える【ICH-E10】

今日はいつになく堅苦しいテーマをあげています。 いつだったか忘れましたが、読者の方から治験の対照薬の選択について、ご質問頂いたことがありました。 それに対する直接的な答えではありませんが、今日は臨床試験における対照薬の選択について、まずはプ…

【薬害】MMRワクチンの事例から何を学ぶか?他のワクチン接種の否定につなげないで!

9価の子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)であるシルガードが5年の歳月を経て承認され、喜びの声があがっています。 私も記事を作成して、微力ながらワクチン接種の啓発に努めました。 シルガードは臨床試験や世界/日本における大規模調査で安全性に問題ないこ…

FDAのファストトラック(fast track)とブレークスルーセラピー(Breakthrough therapy)ってなに?違いや利点は?

製薬会社やバイオ系のIR、医療ニュースを見ていると、「FDAのファストトラックで指定されました!」とか「ブレークスルーセラピーに指定されました!」とか記載されているのを見ることがあるかと思います。 「へぇーすごいなー」と思う人が多いと思いますが…

【シルガード9】審査報告書から学ぶ、9価子宮頸癌ワクチンの意義や副反応について【HPVワクチン】

ついに9価の子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)シルガードが承認されましたね! 本当によかった!! 医療関係者や患者さんの歓喜の声とともに高名な先生方が次々と啓発記事を出しています。 かつてはメディアの知識も心もない報道により窮地に陥ったHPVワクチ…

【パイプライン紹介】S-812217(zuranolone)は次世代抗うつ薬となりえるか?【塩野義】

先日、Akili社のデジタル治療アプリの件でも少し触れましたが、塩野義さんはSage社というバイオベンチャーとも組んで、新規大うつ病治療薬の開発も行っています。 前に少しだけ解説したこともあるのですが、今回塩野義特集ということで、もう少し踏み込んで…

期待できる?COVID-19重症肺炎に対する他家間葉系幹細胞ADR-001(ロート製薬)

先日、化粧品や目薬で有名なロート製薬が、COVID-19重症肺炎に対して、間葉系幹細胞による治験を行うと発表して話題になりました。 新興バイオでも細胞治療に取り組んでいるところもありますが、何だか色々と怪しい噂も漏れ聞こえてきており、個人的には期待…

【治療アプリ】ゲームでADHDが改善!ゲーミフィケーションの成功事例(AKL-T01/塩野義)

以前、ゲーミフィケーションについてご紹介させて頂きました。 何か事件があるとゲームが趣味だったのが悪いのでは?とか、槍玉に挙げられることが多いですが、そもそもこのご時世、ゲーム機を持ってない年頃の男の子のほうが、珍しいのでは? というか、ワ…

患者会提案の医師主導治験の実現!日本におけるPatient Centricityの最前線【タグリッソ】

過去に何度かPatient Centricityについて取り上げてきました。 いわゆる「患者さん中心主義」のことです 薬の開発に患者さんの声を活かそうという考え方ですね。 その最たるものとして、患者会が提案したタグリッソ(オシメルチニブ)の開発計画について、医…

いったい何がしたかったのか?アビガンの特定臨床研究の結果と私見【ファビピラビル】

先日、藤田医科大学からプレスリリースされ、各メディアにも取り上げられましたが、アビガンの特定臨床研究の結果が出ましたね。 有効性について統計学的な有意差がつかずに、結果は失敗です。 「有効な可能性」なんて、負け惜しみを言われていますが、そん…

臨床開発の事例を交えたタイムマネジメントの法則を4つご紹介!【夏休み】

いつのまにか夏休みの季節になりましたねー。 学生のみなさんは楽しい夏休みの計画を立てているところでしょうが、社会人は通常営業で夏休みはどこ吹く風です。 それとも今年はCOVID-19のせいで、学生さんの夏休みも減っているのでしょうか。 みなさんは夏休…

モディオダール(モダフィニル)の流通管理規制に見る、Patient Centricityの欠如

モディオダール(モダフィニル)というお薬はご存知ですか? ナルコレプシーに対する治療薬として承認されていましたが、2020年の2月に特発性過眠症に対して適応が追加されたお薬です。 このモディオダールはこれまでは流通に特に制限がありませんでしたが、…

【中医協】承認されたのに保険適応されなかった不遇な薬、抗肥満薬オブリーン(セチリスタット)とは?

以前「承認申請から保険適応までの過程」や、「保険適応における薬価の算定方法」について、解説致しました。(参考に載せています) その中で、日本は「基本的には承認取得=保険適応(薬価収載)」だと説明させて頂きましたが、ごく一部に例外があります。…